2015年秋・冬号

のれんメール

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★落し水低き棚田を落ちにけり     夏 山(十 月)
★葛城神もお立ちか小夜しぐれ     露 川(十一月)
★やはらかき土をかぶりて霜柱     俊 子(十二月)
                    新歳時記より
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季節のもの ほうれん草

ほうれん草アカザ科の一年または二年草。原産地は西部アジア。室町時代にわが国に伝わってきた。初秋に種を蒔いて、10~1月にかけて旬(しゅん)とする。葉は三角状長卵形で先が尖り、根は淡紅色、柔軟甘味に富んでいる。
ゆでて和え物、浸し物、汁の実、鍋物のあしらいとしても使う。

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老舗と私   御菓子司<鶴屋八幡>

和菓子元禄の頃、大阪高麗橋に店を構え<摂津名所図会>や<東海道中膝栗毛>など数々の文献に残るほど隆盛を極めた有名老舗菓子<虎屋大和大掾藤原伊織>に由来する。
虎屋伊織に永年奉公していた今中伊八(鶴屋八幡初代)が虎屋閉店の後、主家と贔屓筋から開業をすすめられ、虎屋伊織の伝統の灯を消すまいと、文久3年、職人たちと共に、同じく高麗橋に暖廉を掲げた。
鶴屋八幡の屋号は、初代の自宅庭に鶴が巣を作った瑞祥と、開業に際し、虎屋伊織に原材料を納めていた<八幡>さんに支援を受けた恩を忘れまいとして八幡と名付けられた。
創業より多くの人々に支えられてきた<鶴屋八幡>は、人と人、そして人と和菓子の出会いを大切に、精進を続けている。

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老舗とわたし 日本酒あれこれ

日本酒正宗株式会社の記念館館長・村田 祥さんより<おいしく日本酒を楽しみましょう>とのテーマでお話しを伺った。

日本酒は温めることで一層香りが際立ち、日本酒独特の穏やかでほのかな香りが広がる。また、味がより一層豊かになると共に、魚料理の生臭さを消す働きが強くなり、一般的に料理の範囲が大きく広がる。燗の温度も熱燗から上燗(適燗)、ぬる燗と、季節、好み、酒質、料理によって様々に選ぶことが出来る。しかし、熱燗といっても60c以上の燗はいけない。

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故郷を訪ねて  神話発祥の地 <天岩戸神社>

WS000000古事記・日本書記に、天照大神は弟の素盞鳴尊(すさのうのみこと)が、悪いことばかりするので、お怒りになって、天岩戸へお籠りになったことを記しているが、その霊蹟の天岩戸を御神体としてお祀りする西本宮と、天照大神をお祀りする東本宮がある。
境内社殿の背後の断崖の中腹に天照大神が籠られたという処が広大な御神域とされている。天岩屋戸の直拝は社務所にお願いすれば、神職が案内してくださる。悠久の年月に培われた年輪に刻まれた大木に守られた神域は、神々しく、別世界を醸し出している。

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