2006年秋・冬号

食文化の伝承 ― 美味しい旬の魚・果実

photo01.jpg 9月から年末にかけての魚は、鮑・穴子・蝦・蝦蛄・帆立貝など、刺身・寿司ネタが美味くなる。帆立貝は学名をパチノペクテン・エソエンシス。蝦夷の櫛(エゾノクシ)との意味、韓名を海扇と言い、別名を扇貝、秋田貝とも言う。ほたて貝という名は、貝殻の片方が丸くふくらみ、一方は扁平なので、丸い方を舟に、平らな方を帆にして海を走ると考えられた。実際は殻の開閉や“耳”と呼ばれる二つの噴射口から海水を噴き出して移動する。
続きを読む…

伝統の味覚 ― 酒

photo02.jpg 白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりける  若山牧水

 酒の起源は洋の東西を問わずほとんど神話から発している。エジプトではオシリスの神が穀類の酒を教えたといい、ギリシャではバッカスの神が葡萄酒の始祖だと伝えられている。もともと酒は人類の生存する所に自然発生したと思われる。
続きを読む…

伝統の味覚 ― 味 噌

photo03.jpg 日本全国、どこでも味噌汁は飲まれている。しかし、味噌は地方により、異なっている。味噌といえば、まず「おふくろの味」という言葉が返ってくる。

 古代中国(前200年)の記録に、味噌の前身<くき>の発生地は西域だとあるが、朝鮮半島を経て日本に伝えられたのが、大和時代とされている。味噌汁が常用されるようになったのは、1460年代といわれ、庶民的な食品になると共に、兵食として武将が各自その製造を研究し、また塩の少ない東北や山岳地帯で、必需食品として作られることにより発展した。
続きを読む…

のれん花物語 ― 南天(なんてん)

photo04.jpg
 私の主人は、兎に角赤い実のなる花木が好きで、可愛い花が咲き出すと、毎日見にきてくれます。私は主人の喜びに応えてあげたいと、一生懸命に実を赤くしようと頑張りますが、こればかりは時季が来ないと、どうにもならず、疲れてしまいます。やっと赤く色づきました。大喜びする主人に私もホット一息うれしくなります。
続きを読む…

のれんメール

illust05.jpg 早いもので、今年最後の締めくくり号となりました。
 親子三代に亘ってご愛顧いただいているお客様が、足繁く我々の店にお運びいただく季節でもあります。年末年始のお買い物は、どうしても我々の店でないとと、お忙しい中を本当に有難うございます。心より感謝し、篤く御礼申し上げます。

 甘辛のれん会 大寅・主人 小谷 公穂
続きを読む…