2007年春号

食文化の伝承 ― お弁当

200703_01.jpg 春休み、ゴールデンウイークの頃になると、お弁当を持って出かけてみたくなるものだ。こういうとき主婦は、現地で、何か買うとか、レストランで外食するとか楽をしようとする。然し、夫や子ども達は「お母さんのお弁当がいい」と、ねだるので久しぶりのおめかしどころか、5人分のおむすびと卵焼き等をつくることになる。子ども達は学校へ毎日お弁当を持っていき、我が家は住いと工場が共用だったので、夫は朝、昼、晩と私のつくる食事を食べているのに、尚且つお弁当が良いというので、少々うんざりしながら、弁当造りをするが、行き先の海や山の空気をたっぷりと吸いながらのお弁当は、自分の造ったものでありながら、とても美味で、幸せをじっくりと体感したものだった。
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食の価値観 ― バナナ・玉子・いわし

200703_02.jpg 道端に一山100円で売られているバナナを見ると、昔のことをつい思い出してしまう。
幼い頃に風邪を引いたりした時、親しい小母さんがバナナを、お見舞いに持ってきてくれた。その当時はバナナのことをバショウと言っていたように思う。<もうそろそろバショウのおばちゃんが来てくれる>と心待ちにしていたものである。バナナは日常は食べさせて貰えない貴重なものだったのである。当時食べたバナナは、とても甘くて美味しかった様に思う。

 昨今のバナナは、大きさ色々、種類も色々で一概にはいえないが、昔ほど美味とは思えない。わたしの食感が微妙に変っているのかも知れない。
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旬の果物 (三宝柑・苺・夏蜜柑・桜桃・琵琶)

3月の果物
200703_07.jpg三宝柑(さんぽうかん)
昔紀州の農夫が、変ったミカンがなったと三方にのせて、殿様に献上したところ、殿様は大変お喜びになって、三方にのせてきたミカンだから、三宝柑と名付けて大いに栽培せよと誉められたと言う。一月頃から、市場に出るが、三月になると、美味の旬で、五月頃まで味わえる。

イチゴ
著しい品種改良により美味さが増して楽しみなことである。
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花びらのひとり言 ― 芍薬(しゃくやく)

200703_06.jpg わたしは芍薬の花びらです。
「立てば芍薬、座れば牡丹」と言われますように、わたしは茂った葉の中から花茎をのばし、その頂きにつややかな花弁をほころばして咲きます。誇らしげに咲くわたしに、わたしの主人は、とても風情があると誉めてくれるのです。
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のれんメール

illust05.jpg  早いもので花便りを心待ちする季節の移ろいを感じます。受験・入試・卒業・入学・入社と人生の節目にある方々も沢山おられることでしょう。

 大切なお方への贈り物は、どうしても我々の店でないとと、お忙しい中をお求めいただきまして、本当に有難うございます。心より感謝し、篤く御礼申し上げます。

  甘辛のれん会  大寅・主人 小谷 公穂
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