2019年秋・冬号

のれんメール

img9_illust05のれん令和1年 10,11,12月号

●また一人遠くの葦を刈りはじむ    素 十(十 月)
●鷹匠の放ちし鷹の目に光り      王 城(十一月)
●風邪に寝て仏勤めもないがしろ    正 義(十二月)
                              ★新歳時記より

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▲旬の味

寒ブリ★マナガツオ  
 マナガツオは年中美味しい魚とされているが、冬の味噌漬は殊に喜ばれます。
 マナガツオは、南日本の海、東シナ海に棲んでいるイボダイによく似た暖海性の魚で体は平ぺったくて、ウロコは取れやすい。もともと外洋性の魚で、産卵期には、内湾にて産卵しその幼魚は3㎝くらいの大きさになって、外海に出て育つ。
 マナガツオはサシミにも、照り焼きにも良いが、塩をあてて、白味噌を少しのミリンでゆるめて、からめて、味噌漬にすると、美味しい。しかし、味噌漬は漬かり加減があり、漬かり過ぎると身が硬くなって、焼いてもこちこちになるので、漬かり過ぎを避ける。
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★美味しい話題

かに▲マツバガニ
 ズワイガニとも呼ばれ、冷凍もされているので、年中いつでもあると言うものの今が美味しい。マツバガニは鳥取県の名で、ズワイガニは福井県での名で、その産地もこの両県で、古くから底引き網でやっている。
 海の深さはおよそ150m~400mの海の底で、泥や小高い瀬の近くに 棲んでいる。その昔、木枯らしが吹いて、裏山の松葉が落ちて、漁家の主婦が、燃料にする松葉を拾いにゆく頃、このカニが獲れるので、<マツバガニ>という名がうまれたという説もある。
 一般にマツバガニと呼ばれているのは、オスのカニで、大きいのは甲の高さ15㎝もあり目方も1㎏以上もあるのがいる。こうした一人前のカニになるには、5,6年はかかるという。
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●老舗と私  米忠<味噌>

WS000000 毎年この季節になると、私はせっせと味噌づくりに励んでいた。
 新大豆を洗いあげ、一晩以上水に漬けこむ。家中のあらゆる器を持ち出して、わが家のキッチンは味噌づくりの態勢に入る。手間ひまかけて指でもむだけで、つぶれる程に軟らかくなるまで炊きあげて、ミンチにかける如くに潰し、糀をもみほぐし、大豆を煮た時に出るゴジルを混ぜながら、塩加減をし、カメに入れてフタをする。
手塩に欠けた自家製味噌が、一年経って、美しいアメ色に輝いて、食卓に上がる。混ぜ物なしの純粋の味噌である。
 自分の作った味噌が、朝の食卓に家族とまみえる。ごく当たり前のことだが、家族が一言「美味しい」と言ってくれた時の、ほのぼのとした嬉しさは、また格別である。
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●老舗と私  松前屋<昆布>

WS000002 子ども達のお弁当をこしらえていた頃の、あの朝の忙しさを時々懐かしく思い出す時がある。海苔巻きのおむすび、卵焼き、蒲鉾やウインナーをベースに肉を焼いたり、甘辛く煮たり、天ぷらや、フライなどを日替わりにして、野菜も忘れずに楽しみながらの弁当づくりであった。必ず入れるのは<松前屋>のゴマ入り短冊昆布で、短冊に切ってあるので、食べ安く、味も辛くなく、ゴマの香りも芳しい。残さず食べてくれていた。

                                    
 以前は、計り売りもしていたので、必要な分だけ求めることができて、いつも新鮮なもものを用いることが出来た。郊外に住んでいるので、用事があったり、体調が悪かったりで買い置きが無くなったりした時に、止む無く、頂き物で置いてあった塩昆布で間に合わせたら「今日の昆布は、いつもの松前屋の昆布と違うかったネ」と言う。
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