2026年5月号
のれん紹介 先春園本店
【のれんの歴史】
先春園本店の創業について、家伝によると、十人両替の筆頭として大坂両替商の代表的な立場であった天王寺屋五兵衛家の番頭を務めた荒堀源之助が、各界の名士が集う茶席サロンに通ううち、お茶の魅力に取りつかれ、「天王寺屋荒堀源之助」として茶の小売業を始めたのが起源とされている。その後、中国明時代の皇室の名茶園、先春山にちなんで「先春園」と屋号を改め現在にいたる。
明治になり、先春園初代店主の荒堀源之助のもとで手代を務めた稲葉素貞は、慶応3年(1867)に源之助より事業を継承し2代目店主に就任。鴻池家や煎茶道家元の花月菴などの名家から出入りを許され、また、明治27年(1894)には陸軍糧食軍用茶納入業者に指定されるなど手堅く経営を拡大し、内平野町へと店舗を移している。茶の輸出も追い風となり、業績は順調に発展した。 続きを読む…
のれん紹介 菱富
【のれんの歴史】
明治32年(1899)に料亭として創業。創業当初より鰻を提供していたが、初代の早川兼三郎氏は「どうせやるなら、珍しい江戸焼を」と、東京から蒲焼き職人を呼び寄せ勝負を賭けたとのこと。江戸焼は、腹を割いて蒸さずに焼く大阪に対して、背を割いて白焼きしてから一度蒸し、タレを付けてもう一度焼くといった具合に、さばき方など調理方法が異なり、柔らかくさっぱりとした味わいが特徴である。今でこそ江戸焼うなぎを提供するうなぎ料理店は多いが、当時は大変希少であった。以来、「江戸焼うなぎ」にこだわり、船場の旦那衆をはじめ役者・芸人など食通の舌を唸らせてきた。 続きを読む…
