2023年夏号

のれんメール

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●早乙女に早苗さみどりやさしけれ      友次郎(六 月)
●山百合の置いてありけり峠茶屋       水竹居(七 月)
●天の川星より上に見ゆるかな        白 雄(八 月)
●雨風や最も萩をいたましむ         虚 子(九 月)
             <新歳時記より>
●蝉しぐれ命いとしさ切なくて        宣 子
●名月やみんな仲良く空仰ぐ         宣 子
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●旬のものを食べよう

25206922_m 美味しい物を食べたいと思う時は、やはり旬のものを選びたい。最近はいつでも食べたいものが、店頭に並んでいるので、見ただけでは、季節の旬を判断するのが、困難になってきた。好きなものが、つい目に入るので、栄養的にも偏りがちになるのも否めない。
 さすれば旬とは? 動物性の食品、特に鳥・魚の場合は産卵期直前が美味い。卵を産むために、脂肪・蛋白質が体内で蓄積されホルモンもあふれているから、これを旬といっている。気候的には、寒さに向かう動物は多分に脂肪を蓄え運動をしなくなるため、肉が軟らかく、食肉として、価値が上がり、寒のつく寒ぶな、寒ぼら、寒ぶり、寒しじみ等は、寒の時季が旬ということになる。また、冬眠に入る前のスッポン等も充分にエサを食べているので、その時季が旬になる。
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●旬のものをたべよう

桃★季節の果物は、桃、葡萄、西瓜、メロン、梨、李(すもも)、いちじく、ざくろ等々。
▲桃は、元は中国が名産地であったが、日本でも改良を重ねられた結果、品種も増えて、美味しい桃が、食べられるようになった。水密桃は特に絶品である。
 白桃は形が良く外観が美しく果肉は適度に軟らかく、香が良い。
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●老舗紹介  ▲菱 富<うなぎ> 

26655176_m 大阪では珍しい江戸風焼きの伝統を守る老舗。鰻を背開きにするのを本格としている。江戸風の蒲焼は、焼く途中で蒸し器で蒸して、タレをかけて仕上げてあるので、軟らかい。
 なぜ、背開きにするのかというのは、江戸といえば、昔から武士の町だったので、腹を切るのは、切腹に通じ、縁起が悪いタブーとして背開きにしたという説もある。
<菱富>は、うなぎ料理を格調あるものとし、大阪にあっても、江戸風を堂々と護り続け今日に至っている。
                            
 粋な黒塀に囲まれたどっしりとした立派な料亭の建物も、惜しまれながらも取り壊されて、宗右衛門町の同敷地に1997年11月1日に新築開店した。東西を問わず、待ちかねた顧客で賑わったことは言うまでもない。
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●老舗紹介  ★あみだ池大黒・福の花

スクリーンショット 2023-05-31 134634▲おこしの製法に、こだわり続け、218年間、老舗の<のれん>が継承されてきた。
☆文化3年(1805)小林林之助(利忠)があみだ池にて創業。
おこしのこだわり製法は、218年にわたって相伝されてきた。老舗の中の老舗である。
 独特の噛みごたえと、口どけ感、味わい、環境の変化で食感も微妙に変化するおこし。厳選された天然の素材は、新鮮なうるち米・ヒヨクもち米・北海道の黒豆、国内産在来種に拘っている。
 江戸時代の料理書「料理物語」や「和漢三才図会」に糖・おこしの製法が記されている。
 江戸時代の大阪は、全国物産の集散地で、「天下の台所」として経済界に君臨していた。おこしの原料である米・糖などが入手しやすかったのを、いち早く着目し、長堀川の畔の<あみだ池>に店舗・工場を建てて、美味い「お米のおこし」を作り始めた。
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