●老舗紹介  ▲菱 富<うなぎ> 

26655176_m 大阪では珍しい江戸風焼きの伝統を守る老舗。鰻を背開きにするのを本格としている。江戸風の蒲焼は、焼く途中で蒸し器で蒸して、タレをかけて仕上げてあるので、軟らかい。
 なぜ、背開きにするのかというのは、江戸といえば、昔から武士の町だったので、腹を切るのは、切腹に通じ、縁起が悪いタブーとして背開きにしたという説もある。
<菱富>は、うなぎ料理を格調あるものとし、大阪にあっても、江戸風を堂々と護り続け今日に至っている。
                            
 粋な黒塀に囲まれたどっしりとした立派な料亭の建物も、惜しまれながらも取り壊されて、宗右衛門町の同敷地に1997年11月1日に新築開店した。東西を問わず、待ちかねた顧客で賑わったことは言うまでもない。

★古い暖廉に培われた伝統の技と味、そして変わらぬ暖かいおもてなしの心。
 くつろぎのひとときを演出する憩いの食空間。
 気軽に昼食などが楽しめる。一階のテーブル席。
 二階には少人数のご会食に最適の、純和風の粋な小部屋。
 各種会合にご利用いただける広々とした座敷。
 大阪の都心とは思えぬ落ち着いた雰囲気で、なごやかな「食」のひと時を堪能できる。
                          
を、キャッチフレーズに、創業明治中頃、食通が行き交う大阪のど真ん中で、うなぎ一筋に江土風の蒲焼を看板として、関西の人々にも馴染まれてきた。
 蒲焼の真価は<タレ>にある。秘伝の<タレ>は創業以来一度として絶えることなく受け継がれてきた。
 時代がめまぐるしく移ろう中、古い暖廉と真心を込めた、<おもてなし>は、これからも変わることなく継承されていく。
 夏の暑い時期をどのようにしいて乗り切るか? 最近でな休暇をとって、海に、山に、旅行をしたり、いわゆるレジャーをしたりして、むしろ暑さを楽しんでいるが、昔はとてもそんなことは考えられなかった。江戸時代の人は、どうして夏に打ち勝とうとしたのか? それは土用丑の日に、<うなぎ>を食べることにつながった。
 一説には、江戸時代の学者、平賀源内が、懇意にしていた鰻屋が「夏枯れで、商売がうまくいかない、どうしたら夏場に脂っこい鰻が売れるか?」と相談をしたところ、源内は筆をとり、「今日は土用丑の日、うなぎ召しませ」と、看板に書いて出してやった。
 たちまちその鰻屋は繁盛し、それから土用丑の日に、<うなぎ>を食べるようになったという。 
 大田蜀山人の狂歌によるという説もある。                  梶 康子