●旬のものを食べよう

25206922_m 美味しい物を食べたいと思う時は、やはり旬のものを選びたい。最近はいつでも食べたいものが、店頭に並んでいるので、見ただけでは、季節の旬を判断するのが、困難になってきた。好きなものが、つい目に入るので、栄養的にも偏りがちになるのも否めない。
 さすれば旬とは? 動物性の食品、特に鳥・魚の場合は産卵期直前が美味い。卵を産むために、脂肪・蛋白質が体内で蓄積されホルモンもあふれているから、これを旬といっている。気候的には、寒さに向かう動物は多分に脂肪を蓄え運動をしなくなるため、肉が軟らかく、食肉として、価値が上がり、寒のつく寒ぶな、寒ぼら、寒ぶり、寒しじみ等は、寒の時季が旬ということになる。また、冬眠に入る前のスッポン等も充分にエサを食べているので、その時季が旬になる。

 しかし、野菜については、天然野菜といわれる路地野菜なら旬があるが、温室野菜は、年中店頭に並んでいるので旬は意識のそとにある。栄養的に言っても温室野菜のビタミン含有量は天然野菜よりはるかに劣るとされている。
 それでは、如何にして野菜の旬を知るか? ということになるが、目安としては、多く出まわっている時で、価格も安い時である。いわゆる旬のはしりは、高価であるので注意が必要である。
 この時期の野菜の旬は、さつまいも・里芋・ギンナン・じゅんさい・にんにく・ごぼう・南瓜・きぬかつぎ・等々がある。
★衣被<きぬかつぎ> 八月十五日の夜の月を仲秋の名月というが、芋<いも>名月とも呼ぶ。里芋の皮つきをお供えするが、皮つきのまま茹でた、または蒸した里芋を衣被という。皮をむいて、塩をつけて食べると口当たりがよい。
 今日の里芋は、奈良朝時代に中国から渡来したともいわれているが、実際にはもっと古い時代からあったと思われている。日本列島で米が作られるようになったのは、大和民族といわれる人が、やってきてからのことと、いうことになっているが、それ以前の先住民族は、稲作は知らなかったが、いもを作っていたらしい。
 現在の日本人は、先住日本人と、後の大和民族の文化を併せ持っているのだろうと思われる。里芋は日本各地の行事によく使われていたが、現在はどうなっているのだろう。
                           
里芋の効用とされる記録によると、
▲里芋の葉柄を折ってその汁をつけると、毒虫に刺された痛みがやわらぐ。
▲里芋をわさびでおろして紙に伸ばして、局部に貼る。やけどによい。歩いて疲れた時に足の裏に貼る。頭痛・肩こりには、その部分に貼る。
▲鉄瓶や鍋、釜などの金気をとるには里芋の茎、葉、里芋を数回煮ると良い。
 医学の進んだ現代とは次元の異なる話しであるが、先人達の生きる為の知識であった。
                                    東 雲 宣 子