2009年秋・冬号
老舗物語 ― 長﨑堂
○復元カステラ
新鮮で安全な最高の卵に、四国の和三盆をはじめ三種類の極上の砂糖と、数あるの小麦粉の中からカステラに合った粉を選び、レシピは大正時代初期と変らない。
米アメを使って、専用釜、鉄板を用いて木枠で焼き、何度もアワキリすることで(固まる前に切るように軽く混ぜるを繰り返し、よく見れば切り口にかすかな断層がある)焼き上げたカステラは、しっとり、じっとり、どっしりと重みがあり、食べた者のみが知り得る美味しさである。
紙箱入りと木箱入りがあり、木箱は桐箱ではなく杉箱で、杉の香りが、カステラの甘味と一緒になって、なんともいえな匂いがカステラを包みこんでいる。
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老舗物語 ― 小倉屋株式会社 をぐら昆布
創業嘉永元年。160年を経て<のれん>を守り続け、今日に至っている老舗である。
汐冨貴昆布をはじめ、数ある馴染みの商品の中から、今回は(匠の技)による極上手がきおぼろ昆布・とろろ昆布をご紹介。
大阪戎橋筋 をぐら屋の職人三田智則74才は、おぼろ昆布の手漉き<てすき>加工一筋にこだわり続け、こつこつとたゆまず続けた努力の結晶が、究極の手製白おぼろ昆布、手製白とろろ昆布、手製黒とろろ昆布である。これらの技により栄誉ある賞を受けている。
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伝統の味 ― 蒲鉾あれこれ
蒲鉾といえば、正月のおせち料理の重箱に、めでたく紅白に並んでいる蒲鉾が目に浮かぶ。正月に限らず、来客の時は勿論、日常の食生活においても、低カロリー、高タンパクの健康食品である。酒のみにとって<いたわさ>はなじみ深いが、われわれの旅の思い出の中にでも、必ず地方特産のかまぼこに出会う。
●仙台 ― 笹かまぼこ ●富山 ― こぶ巻きかまぼこ ●和歌山 ― 南蛮焼き ●山口 ― 白焼きかまぼこ ●下関 ― 簀巻かまぼこ ●宇和島 ― 焼きかまぼこ 等々。
北から南まで、至るところにそれぞれ土地の特色を出したかまぼこがある。日本人が発明し、古くから発達してきただけに、全国各地の国自慢となっている。
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花物語 ― 南天<なんてん>
アヤメ科アヤメ属。原産地は中国、朝鮮半島、日本。緑の葉の間から紫色の花を咲かせる。気高く美しい。四季咲きもあり初冬までみられる。花色は白に紫の点ぼかし、紫に白の縁取り、白、などである。約50の園芸品種があるとされている。
アヤメ属には美しいものが多く、アヤメ、日扇アヤメ、杜若、花菖蒲などがあるが、このうち美術で最も早くから多く取り入れられたのが、杜若だといわれている。江戸時代の尾形光琳の作品は有名で、国宝とされている。金地に緑青群青の杜若の群生を描いたもので、これは「伊勢物語」の業平東下りの途中、三河八つ橋で杜若の美しさを眺める様子を描いたものである。
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のれんメール
季節は移ろい収穫の秋へと、長かった暑さにやっと別れを告げ、錦秋の心地よさからまたあっという間に冬を迎え、そして年末へと慌ただしく移ろいます。
甘辛のれん会加盟の各店は昔ながらの技術で信頼を得ている、<のれん>を次世代に引き継ぐべく頑張っております。お歳暮・帰省みやげ、その他、お祝事のご用命は先様からも喜んでいただける<甘辛のれん会>の品々をよろしくお願い申し上げます.一同心よりお待ち致しております。
甘辛のれん会 大寅・主人 小 谷 公 穂
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