2019年春号

のれんメール

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●春の野やいずれの草にかぶれけん       羽 紅(三 月)
●海人の子の黒さや春の磯遊び         可 白(四 月)
●彼岸より庭木動かし夏に入る         虚 子(五 月)
                        新歳時記より

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桜の花に想う

sakura 季節の移ろいは早く、花は慌ただしく、咲いたと愛でる間もなく、あっと言う間に、夜来の雨にさらされて、散ってしまう。散ればこそ惜しまれる桜の花は、凄絶な美しさの中に、儚くも華やいだ雰囲気を醸し出し、日本人の魂を捉える。
 この季節のもので、美しいもの、可愛いものに、サクラの言葉が、冠されるのは、日本人の言葉への優しさと細やかさであろう。

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老舗歳時記  <サントリー>

WS000001 今では、世界に通じる<サントリー>のことを、申すのは枚挙にいとまがないので、今回は<ウイスキー>のことのみにする。
                        
●大正12年(1923) 創業者鳥井信次郎により、京都郊外山﨑の地に,蒸溜所「サントリー山﨑蒸留所」の建設に着手。
  鳥井信次郎は、スコッチ製造法に関する文献から土地の重要性を学び、全国の候補地から選んだのが、京都郊外の山﨑であった。
                      
●昭和4年(1929)  国産第1号ウイスキー「白札」誕生。
丸瓶に白いラベルで「白札」と呼ばれ、戦後は「ホワイト」に。市場の評価は得られず研究は続く。
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のれん歳時記  甘辛のれん会・のれん誌

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「甘辛のれん会」は、飲食品をつくり、販売する者が、連合して其の名声をあげる為に結ばれた集団で、其の名を大切にする
<老舗の、のれん>を大切にする集団である。
 加盟店には最初から厳しい資格が問われ、加盟を希望しても、全会員の承認を必要とする規定に成っている。<甘辛のれん会>の会員であるということが老舗の<のれん>であり、大きな信用になっている。
 結成以来今日まで、質実な運営と各加盟店の老舗としての<のれん>を守る為のなみなみでない努力の摘み重ねが、今日の「甘辛のれん会」を築いてきた。

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青葉、若葉に想いを寄せて

siode 日本の四季を色に例えたら、平均的にいえば、春は萌黄・夏は青・秋は紅(くれない)・冬は白になるそうだ。夏には、青嵐(せいらん)という季語があるように、緑の繁茂する様子が、夏を想像させる。
 日本列島は、青葉、若葉の季節へと移ろうていく。日本的な発想から日本料理は、素直に季節を取り入れて、春に萌え出た山菜や野菜の緑は、湯がいてひたしものにする料理が、多くなる。

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