2022年春号
のれんメール
●喜んでくれる父母なく卒業す 都 穂(三 月)
●春月の病めるが如く黄なるかな たかし(四 月)
●日本に帰りて京の初夏の庭 虚 子(五 月)
新歳時記より
●春来てもなぜかはずまぬコロナゆえ 宣 子
●薫風の青葉若葉で癒される 宣 子
●行事と旬 雛祭り
「骨菫集」によると、わが国で三月三日の雛祭りの風習が広く行われたのは、大正以後のことではないかという。江戸時代には三月三日は五節句の一つに定められ、将軍家・大名・また民間でも雛祭りが行われるようになった。由来については、平安朝の頃からあった雛あそびと、中国から伝わった三月上巳の祓いの行事が合体して始まったらしいという説がある。
平安朝の上流社会で行われたもので「源氏物語」や「宇津保物語」にも見えて、人形を使った、ママゴト遊びのようなものであった。 続きを読む…
●新年度と旬 新入園・新入学・新入社・その他転勤に伴う移転等
新型コロナ禍のもと昨年に次いで、かつてない試練を乗り越えて、新しい体験で勝ちとられた皆様方には心よりお祝いを申し上げます。また、望みが適わなかった方も若さと情熱で来年を目指して頑張って下さることを、念じております。
★春といえば桜が先ず思い浮かびます。
▲桜によせて
☆桜餅 もとは小麦粉の皮に小豆餡を包んで、上を塩漬けの桜葉でおおい、蒸籠で蒸したもので、後には各所の菓子店で、つくるようになり、皮には米粉を用い、色漬け、味付けをして現在の桜餅へと進化した。 続きを読む…
●老舗と私
★吉野寿司 純大阪寿司
創業天保12年(1841)「大阪寿司」に頑固なまでにこだわり続けて今日に至っている。
大阪寿司の代表は、押し型にシャリを入れて、その上に小鯛、穴子、椎茸などを並べ、軽く押して仕上げる。
大阪寿司は、二口、三口と分けて、口に入れるので、「大阪寿司は、寿司飯に六分の味」といわれるくらいに、タネ以上に寿司めしに重きを置くという。
始めて取材に伺った時、真っ白の料理着に、真っ白の前掛けをキリリと締めて、当時の当主ご自身が、調理場から「のれん誌は毎月読ましてもろてます」と勢いよく声をかけてくださり、思わず「有難うございます」嬉しい言葉に感動したのをしっかり覚えている。そして、大阪寿司のことをいろいろと教えて下さった。
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●老舗と私
★大阪の駿河屋 練羊羹
和菓子 それは日本人の 心のふるさと 春・夏・秋・冬
自然の恵みを喜び しみじみと 季節の移ろいを味わう
和菓子の中でも、とりわけ羊羹の老舗<大阪の駿河屋>の歴史は古い。
○寛正2年 (1461)岡本善衛門が京都伏見で創業。
〇天正17年(1589)四代目岡本善衛門が羊羹を創業。豊臣秀吉の北野茶会に用いられる。
○慶長14年(1609)五代目岡本善衛門が紀州公の要請により、和歌山店を開く。
○貞亭2年 (1665)紀州光貞公より駿河屋の屋号を賜る。
○天保8年 (1837)12代目岡本善衛門の三男善三郎が大阪店を開く。大阪城に御用菓子司として創業した。
気の遠くなりそうな連綿たる歴史の中で、作り続けてきた羊羹は、先人の製法を今に受け継ぎ、その時代の顧客のニーズにあった味覚を創造しながら、弛まぬ努力を続けてきたのである。
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