●老舗紹介 御菓子司 鶴屋八幡 和菓子
<「隋尊命調進 応貴旨精製」
ご満足のゆく品物を真心込めてお作りし、
お客様に喜びをお届けする>
を、社是とし、伝統の羊羹はもとより、四季折々の季節に因んだ和菓子は、室町時代の頃よりの喫茶の風習に育まれ、江戸時代に成熟期を迎え、今日に受け継がれてきた。
初代今中伊八は、江戸時代の元禄の頃、和菓子の老舗の「虎屋大和藤原伊織」で永年奉公し、「虎屋伊織」が閉店する際に、主家に勧められて、伝統の灯を消すまいと開業した。
家業に際し、所でいの家の庭に鶴が舞い降りたのを瑞兆とし、支援を受けた「八幡屋」の恩義を忘れまいと「鶴屋八幡」と名付けた。
鶴屋八幡は創業文久三年(1863)大阪高麗橋に暖廉を掲げて以来、多くの顧客に支えられ、和菓子を通して、人と人との出会いを大切にして、日夜和菓子つくりに専念している。
伝統の技と時代に合わせた新しい物作りを築き上げて行く、それこそが暖廉の信用に繋がることだと考えている。
もとより、商いは人と人との関わりの中で、築きあげていくもので、これからも、人と人との和菓子の出会いを大切に日々精進を重ねていく。
和菓子は日本の四季の美しさを表現している。人それぞれが感じてきた人生の想いが楽しく、悲しく、懐かしく思い出させてくれる。
新型コロナの流行する前は期の合った者で」家庭持ち回りの女子会をしていたが、私の当番の時は、必ず、近鉄のデオアートまで出向いて、<鶴屋八幡>のお菓子を用意していた。彼女たちは、今度はどんな和菓子を出してくれるのかと、楽しみにしていたという。和菓子の話だけでも、話題がどんどん広がって、楽しかったと、今でも時々言ってくれる。
これからの季節の、和菓子といえば、
★雛祭りの和菓子 ★人生の節目のお祝の紅白のお饅頭 ★お花見用のさくら餅
★五月の節句の柏餅・ちまき ★不意の来客用のお干菓子 ★夏に喜ばれる水羊羹
★仲秋の名月のお月見団子 ★春・秋のお彼岸のお団子 ▲お茶会の生菓子等がある。
★水羊羹 ▲水羊羹<小豆>あっさりして滑らかな舌ざわりが楽しめる。
▲水羊羹<柚子>二層仕立てで、柚子の香が涼やかに広がる。
▲水羊羹<抹茶>抹茶の風味がほどよく口中に広がる。
★ゼリー ▲清水白桃ゼリー 岡山県産清水白桃を粗砕きして作る。
▲葡萄ゼリー ほどよい酸味の岡山県産ニュービオーネで作る。
▲八朔ゼリー さっぱりとした和歌山県産の八朔で作る。
★丹波黒豆寒天寄せ ★いただき 柔らかい玉子焼き皮に粒あんを挟んだ子ぶりの和菓子。
★山清水 山あいから湧き出る山清水わ琥珀で表現。じっくり炊き上げた小倉粒を蜂蜜に浸して、寒天に封じ込めてある。
●代表銘菓 ★百楽 半世紀を超えて顧客に愛され、多くの方々に支えられて、代表銘菓として信頼されている。これからも美味しさを追求し、精進を続ける。
◆つぶ餡入り 国産大納言小豆をじっくり、丁寧に炊き上げあっさりと仕立て上げ
てある。
◆こし餡入り 国産小豆を独自の割りで配合した、こし餡入りのもなか。
◆塩入り百楽 (つぶ餡)室戸岬沖海洋深層塩をかくし味に使った粒餡もなか。
▼つぶ餡、こし餡、ともに四つに割って一口サイズで上品に食せる。 梶 康子