●旬のハーモニー

4085986_m▲魚類を食べよう
 ★にらみ鯛 正月の魚の筆頭は鯛である。マダイやレンコダイのほか、国産の天然ものと養成もの。輸入ものもある。縁起ものとして三日間箸をつけずに食卓に置かれていたので、ニラミ鯛といわれていたが、最近はコロナ等の関係で、年始客もないことから三日間も置いて置くことも無く、食されている。

 ★伊勢エビ 長寿を願う縁起物で、玄関やお飾りにされる。
 ★数の子 子孫が増えて、家の繁栄を願う意味。ニシンの子でニシンの古語を「カド」と言い、その子だから「カドの子」といっていたが、「かずの子」から「数の子」になった。
 ★あわび 縄文時代から日本人の食糧とされていた。奈良・平安時代の貴族に珍重され、美味で保存されるので、高級贈答品となり、のしあわびは長くのびるところから、永続し、発展の意味で、めでたいとされていた。
 ★田造り ゴマメともいい、子孫繁栄を願った。
 ★蒲鉾 おせち料理を華やかにしてくれる。松・竹・梅・寿・紅白の色どりは美しい。
 ★昆布 古来より「よろこぶ」に通じるとして祝い事に好んで用いられる。
 古来より我が国では、魚肉を重用し世界一の水産嗜好国民といわれていた。<ナマス><サシミ>の生食から煮たり、焼いたり、蒸したり、脂で揚げたり、あらゆる料理に利用して、動物性蛋白源の重要部門を占めている。
 獣肉に比して組織が粗く筋繊維が柔軟だから、消化吸収率は魚肉のほうが、勝るといわれる。種類が非常に多いので食味も栄養価も各々異なり、また、季節・産地・雌雄の別などによっても一定しないから、一概には言えないけれど、大体において、生殖前に養分を蓄える期間が美味で「しゅん」となる。雌は雄に比べて蛋白質が多く美味。温帯産が優れ、寒帯産、熱帯産と続く。
★粗淡白含有量の多いのは、サヨリ・サンマ・サメ・クロダイ・ボラ・ブリ・カレイ・エビ・アカエイ・イワシ・サバ・アジ等の順位で、ヒラメ・サワラ・タイ・マグロ・サケ・マス。となる
★粗脂肪含有量の多いのは、マス・マグロ・ニシン・サケ・タチウオの順位で、
★脂肪が最も多いのは、前記のほかに、イワシ・サンマ・サバ・ウナギ・ムツ。
★脂肪がやや多いのは、ハモ・ホウボウ・アユ・サワラ・タイ・ブリ・フナ・スズキ・サヨリで、  
★脂肪が少ないのは、ヒラメ・アンコウ・アナゴ・カレイ・ハゼ・アジ・シラウオ。
★無機塩類殊に燐、カルシュウムの給源  ハゼ・イワシ・ワカサギ・アミなど、骨ぐるみ食用される。
★魚肉には、一般にビタミンAがあり、ウナギ・イワシ・ニシンはビタミンDを含む。
                                    東 雲 宣 子