老舗歳時記  <サントリー>

WS000001 今では、世界に通じる<サントリー>のことを、申すのは枚挙にいとまがないので、今回は<ウイスキー>のことのみにする。
                        
●大正12年(1923) 創業者鳥井信次郎により、京都郊外山﨑の地に,蒸溜所「サントリー山﨑蒸留所」の建設に着手。
  鳥井信次郎は、スコッチ製造法に関する文献から土地の重要性を学び、全国の候補地から選んだのが、京都郊外の山﨑であった。
                      
●昭和4年(1929)  国産第1号ウイスキー「白札」誕生。
丸瓶に白いラベルで「白札」と呼ばれ、戦後は「ホワイト」に。市場の評価は得られず研究は続く。

                         
●昭和12年 (1937)  傑作の逸品「角瓶」誕生。
  山﨑蒸留所も19年以上を経過した頃から原酒の貯蔵量も充実し、熟成も深く、豊かな香味の個性あふれる原酒が揃うようになった。日本人の繊細な味覚に合った豊かな香味を持つ、真のジャパニーズウイスキーの誕生である。
  それが「角瓶」で、ロングセラーを続け、いまもなお亀甲ボトルで多くの人々に愛されている。
                        
●昭和59年(1984) シングルモルトウイスキー「山﨑」誕生。
  その頃、シングルモルトは、世界でも限られた好事家が嗜む酒であった。水・気候・風土、職人のウイスキーづくりへの姿勢、これら蒸留所の持つ特製がダイレクトに伝わる酒がシングルモルトで、ブレンデッド主流の時代に冒険ともいえる一瓶であった。
                  
●平成元年 (1989)   「響17年」誕生(創業90年記念製品)
  高級ブレンデッドウイスキー「響17年」には鳥井信次郎から築き上げ、磨き上げた香味が凝縮されていた。サントリーの原酒が美しくひびきあった、ジャパニーズブレンデッドの誇りが香り立つ一瓶となった。
                             
●平成22年(2010)  「アイコンズウイスキー」2010  世界部門受賞。
  サントリー酒類株式会社は、ウイスキー専門誌「ウイスキーマガジン」主催の「アイコンズオブウイスキー2010」(世界部門)で、世界各国のウイスキーを対象に、この一年、業界で、著しい貢献を果たしたメーカー(デイステイラ)一社に与えられるもので、日本として初めて受賞した。
                           
▲モルトウイスキーの製造工程は、原料→仕込み(糖化)→発酵→蒸留→熟成(貯蔵)→
ブレンドと、創業以来培ってきた匠の技は今、世界で認められる高品質なプレミアムウイスキーを生み、海外市場で大きな称賛を浴びてきた。今後も日本のリーデングカンパニーとしてのゆるぎない地位を確立しながら、更なる頂きを目指して研鑽を続ける。
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