老舗歳時記

WS000003●大阪の駿河屋  和菓子
              
               
○寛正2年(1461)岡本善右衛門が京都伏見にて創業。鶴屋。
○天正17年(1589)四代目が羊羹を創案。伏見羊羹の名で売り出した。上品な甘味の羊羹は茶道と相俟って茶人に好まれ、豊臣秀吉の北野の茶会に用いられた。
○慶長14年(1609)五代目は、紀州公の要請に従い、伏見を弟の善一郎に任せて。和歌山に移り、和歌山店を開いた。
○貞亭2年(1665)紀州三代綱教に、五代将軍綱吉の娘鶴姫が嫁がれるに及び、献上。二代目領主光貞より駿河屋の屋号を賜った。
                 
●天保8年(1837)十二代目が三男の善三郎を店主にして、大阪船場淡路町に大阪店を開き、大阪城中に納入。大阪城御用菓子司として創業。浪速の和菓子づくりに励んだ。
▲ 瓦町に移転し、羊羹以外に生菓子、干菓子の製造、販売を始めた。
●昭和26年(1951)平野町にて株式会社大阪の駿河屋に改組した。
                    
 開業以来約180年、歴史の上にたって、常に創造的な経営に心がけ、菓子文化の向上を目指して、社会に貢献し、老舗としての確かな歩みを残し、時代のニーズに適応しつつ、技の革新と製品の開発に努力している。
                         
★<富士鶴>  最高の材料で仕上げた超特選の羊羹で、一口、口にしただけで、全ての羊羹との違いがはっきりと感じられる。美味なるものを口にする喜びが、沸々と、じっくりと、あじわうことが出来る。重厚な品格を誇る。
★<練羊羹>  伝統の製法で、練り上げた美しい紅羊羹である。
★<夜の梅>  小豆羊羹で、昔から馴染みが多い。
★<抹茶羊羹> 抹茶の香りの漂う上品なおもむきがある。
★<栗羊羹>  粒よりの上質の栗を贅沢に使った最高級の羊羹。
                               
季節は移ろう。 我々は、自然の恵みを喜び、しみじみと季節を味わう、春・夏・秋・冬、それぞれの特徴を愛し、癒される。<大阪の駿河屋>の季節の和菓子は、その時だけしか味わえない心の故郷へ、いざなってくれる。
 これからの季節、目出度いお正月、茶会の初釜。ひな祭り、お花見、結婚等の内祝い、端午の節句、涼しげな夏の和菓子、春・秋のお彼岸等。それぞれの想い出を残してくれるだろう。 
                                      梶 康子