☆酢のはなし

WS000001★古代の酢           
中国では、起源前の1299年頃につくられ「周礼」の天官膳夫のくだりに天子の御膳を
司るものとして、酒の係、塩の係それに酢の係がおかれていたことが、記されている。中国では「す」は古くから使われ、今に至っている。
酢の技術が我が応仁天皇の時代に和泉<いずみ>今の大阪府堺市に伝えられて、「いずみず」と呼ばれていた。江戸時代に相模の中原、駿河の善徳寺、尾張の半田などに伝えられていった。
とりいれた稲をそのままコシキに入れて蒸し、それを乾燥して臼で挽き、モミガラをフルイでわけて白米をつくる。この白米一升をややコワイめに炊き上げ、仕込みに用意されたカメの底、カクズミ一本と、テツクギ一本を束ねていれておき、その上に、あったかな飯を入れ、押さえつけておき、コウジ六升を加えて、厚い紙で内ブタをし、更に、木の外ブタをし、柿シブを塗った紙で目ばりをしてしまう。
そのまま温暖な日を、七、八日過ごすと、内容は酸っぱくなり、そのまま三、四ケ月放置して、春の頃フタを開けて、濁った液を布で濾し、オリのすむのを待って、一、二回弱火で煮て、涼しい室内に保存して、仕込みから、およそ一年で「いずみず」が出来上がる。つまり米で酢をつくるのでコメズ「米酢」であう。
                     
★酒の粕の酢 
清酒からは、酒のカスができ、これでカス酢をつくる。酒のカスにはアルコールが含まれていて、これを二、三年貯蔵しておくと、アルコール分をはじめ、役に立つ成分がふえる。アメ色に熟成したカスを槽にとり、一定量の水を加えて、よく混和させる。十日間アルコール発酵をさせ、袋につめて、濾して、あたためて、タネ酢を加えて、仕込みオケに入れ、保温して、三週間酢酸発酵させる。
●酒酢・アルコール酢
 ★清酒のモロミのウワズミ液に一、二倍の水を加え、アルコールの量を5%~8%にうすめ、原料酒液の一割~五割のタネ酢を混ぜ、保温し、撹拌し、二、四週間酢酸発酵させ、熟成、仕上げる。
 ★アルコール酢は、90~95%のアルコールを原料にし、10倍~18倍にうすめ、甘酒、あめ、酒のカス、タネ酢を混ぜ、保温、撹拌、熟成、仕上げる。
 ★ワインビネガーは、ブドウ酒からつくられている。原理は酒酢と同じ。
 ★シャンツオは、中国の酢で、香辛料のきいた酢。
●加工された酢 ★スシ酢。★ポン酢。★果実酢など多種多様あり、スーパーでは、数えきれない多くの品が並んでおり、そのいくつかが食卓を賑わせている。
▲酸っぱさを感じるのは、人それぞれ違い、その日によっても、まちまちである。
                                    (編 集 部)