のれん歳時記   銘茶 先春園

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 <先春園>の 屋号は、初代源之助の友人の学者が、
「中国の明の時代に皇帝の茶園があって、先春山といった。その名を拝借して先春園と改めると良い」と勧めたことにより、源之助は<先春園>と改めた。 

大阪で現存する茶舗では、一番古い歴史を持っている。創業は文久三年(1863)にさかのぼる。大阪の豪商だった<天王寺屋>の流れをくむ先春園は、現在に至る約153年の間、幾度かの危機を乗り越えて、今日の繁栄を誇っている。

 一月は初釜の月。あちこちで茶事がおこなわれるが、「初釜のお茶は、やはり先春園のお茶でなければ」と、はるばる買い求めに来てくださる有難い人たちが居て下さる、という。

● 大福茶
元旦に若水を汲んで、縁起を祝って飲む福茶は大福・大服・王服・皇服の字が当てられているのでもわかるように、尊大な、たっぷりと注いだお茶は、気持ちのゆったりとしたものに通じ、長寿にあやかり、この一年の食生活も穏やかに過ごせるようにという意味から、本来は、感謝の心で、飲むものであった。
先春園の大福茶は、正月を祝うに相応しいもので、信用と伝統に培われてきた実績が、顧客に安心感を与えている。
● 抹茶
先春園の抹茶は、吟味した指定の茶園で、丹精込めてつくられているので、茶人はもちろん、一般の愛好家の方々にも信頼され、愛用されている。
 初釜には、先春園特製のお抹茶で、和やかなひとときを、過ごしていただきたい。一服のお茶にも店主の心があり、あい通じるものがある。

●。新茶
  新茶の季節になると、店内は、新茶がメインとなる。新茶といえば、<夏も近づく    八十八夜>の小学校歌にあるように、八十八夜に茶摘みをして、それから製茶して売り出されるものと思っていたが、早いものは、四月初めの頃から売り出されているのに、驚いたことがあったが、それは、鹿児島県産の新茶で、静岡のお茶は、四月の下旬に市が立ち、それから出回ることになる。次いで、宇治・大和・丹波の新茶が出回りだす

★ お茶の自然の香りと味わいは、身体的にも健康に良いとされているし、何よりも一服の安らぎは、心を落ち着かせ、豊かにしてくれ、心身共に良い影響を与えてくれる。                               編集部