老舗紹介 大寅蒲鉾株式会社

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大寅蒲鉾株式会社  「作るも 売るも 買う心」
1876年に初代小谷寅吉が創業して以来、二代目小谷権六、三代目小谷公穂が、大寅創業の精神を受け継ぎながら、明治、大正、昭和そして平成と四つの激動の時代を乗り越え136年の歴史を歩んできた。
 創業当時は、不屈の開拓者魂でつき進み、老舗の伝統を守り続け、昭和の大戦、戦後の困難の中から立ち上がり、昨今の社会・経済情勢は勿論のこと、食品業界を取り巻く状況も、原材料事情をはじめ一層厳しくなっている中で、社業発展に全力を傾けている。
 どのような厳しい環境のもとにあっても、老舗の<のれん>を守り、なおかつ後世まで引き継がれるべき、時代のニーズを伝統に取り入れながら、常に精進努力をして、
「作るも 売るも 買う心」と言う言葉を肝に銘じ、全ての事に取り組んでいる。

●平成24年7月二、三代目小谷公穂が取締役会長に就任し、四代目として、市川知明が、取締役社長に就任した。

平成24年10月20日、リーガロイヤルホテルで、創業136年並びに会長・社長就任感謝祭が行われた。
 先ず、観世流「養老」の縁起のよい舞から舞台が開かれ、関西の主だった能楽師、囃子方によって、格式のある「養老」が、演じられた。さすが、伝統のある老舗<大寅>に相応しい演出であり、会場は厳粛な雰囲気のうちに、宴は始まった。

●大寅の蒲鉾は、お正月のおせち料理の定番。お目出度い紅白、をはじめ、メインの焼き通し、その重厚な歯ざわりと、風情のある舌ざわり、味わいは、すでに周知の通りで、私は、毎年、年始のお客様には、先ず手作りのおせちの重箱に、必ず大寅の蒲鉾を添えておもてなしをすることにしている、お客様に、とても喜んで頂いている。

●大寅といえば、先ず上等な蒲鉾が思い浮かぶが、各デパートのお惣菜売り場では、色々なテンプラというか、揚げものが主婦達の間では、かなり評判がよい。それほど高価でないのがお気に入りで、それよりも何よりも先ず美味しい。老舗のすることだから、材料が安心。使用する油も信用できる。これらが相まって人気を呼んでいるのである。
 私の友人などは、用事も無いのにデパートに、わざわざ出かけて、大寅の揚げたての商品を、買い求めて、一刻も早くと、我が家に持ってきてくれることがある。私ができたてのアツアツが好きなことを知っているからである。二人で頬ばって話題が弾みすぎて、夕闇の中を慌てて帰っていく友人のうしろ姿は、こころなしか楽しそうに見える。
                                 梶 康子