老舗紹介  大阪の駿河屋

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羊羹の老舗<大阪の駿河屋>は、天保8年(1837)駿河屋12代目の岡本善右衛門が、三男の善三郎を店主にして、大阪の船場淡路町に大阪店を開き、御用菓子を大阪城中に納入すると共に浪速の和菓子作りに励んだ。

爾来羊羹の製法を今に受け継ぎ、常に顧客の味覚にお応えすべく精進している。
その後河原町に移転をし、羊羹以外に生菓子、干菓子の製造販売を始めた。

昭和26年(1951)平野町にて、株式会社大阪の駿河屋に改組し、開業以来188年、幾星霜、歴史の上にたって、常に創造的な経営に心がけ、菓子文化の向上を目指して、社会に奉仕し、老舗としての確かな歩みを残し、時代のニーズに適応しつつ、技術の革新・製品開発に尽力している。
甘さを抑え、見た目も美しい新製品は、古くからの客筋はもとより、年齢もこれまでの中・高年層からやや若年層に人気を保っている。
従来からの心安らぐ和菓子のよさが、努力の結果認識されてきたと言えようか。

  <和菓子 それは日本人の こころのふるさと
     春夏秋冬 自然の恵みを喜び しみじみと季節の 移ろいを味わう>

大阪の駿河屋の羊羹「富士鶴」は、最高の材料で仕上げてあり一口を口にしただけで、他の羊羹との違いがはっきりわかる。それは、重厚な芸術品とでも言えばよいのだろうか。美味なるものを食べる喜びを感じるのである。
★煉羊羹は、伝統の製法で練り上げた、美しい紅羊羹である。
★夜の梅は、丹波大納言を梅に見立てた小豆羊羹で、昔から馴染み深い
★挽茶羊羹は、抹茶の香が漂う上品な羊羹である。
★栗羊羹は、粒よりの栗を贅沢に入れた羊羹で,その味わいは最高級である。

和菓子は四季折々の美しい顔をもっている。今の季節は、迎春用の華やかな和菓子である。大阪の駿河屋ならではの風格のある味わいは、来客の心をとらえ、喜んでいただける。
初釜の行事もあり、和菓子が重宝される季節である。じっくりと、くつろぎながら楽しんでいただきたい。
★大阪の駿河屋の<紅白饅頭>は、他の追従を許さぬ逸品で、引出物とするのに最適。                              梶 康子