老舗物語 ― 大阪の駿河屋

200801_02.jpg 和菓子 それは日本人の 心のふるさと
 春夏秋冬 自然の恵みを喜び しみじみと季節の 移ろいを味わう

 天保8年(1837)駿河屋十二代目善右衛門が三男の善三郎を店主にして、船場淡路町に大阪の駿河屋を開いた。御用菓子を大阪城内に納入すると共に、浪速の和菓子づくりに励んだ。その後瓦町に移転し、羊羹以外に生菓子、干菓子等の製造販売を始めた。

 昭和26年(1951)平野町にて株式会社大阪の駿河屋と改組し、爾来、常に創造的な経営に心がけ、菓子文化の向上を目指し、技術の革新、時代のニーズに適応しつつ製品開発に尽力しながら、伝統ある羊羹の製法を今に受け継ぎ、常に顧客の味覚にお応えすべく精進している。
 
 始めて大阪の駿河屋の羊羹を口にしたとき、品格のあるまろやかな味わいに、甘さを押さえ、見た目にも美しい製品に、これが老舗の味なのだとしみじみと思い、安らぎを覚えたものである。

○冨士鶴  最高の材料で仕上げた超特選羊羹で、一口、口にしただけで、全ての羊羹との違いがはっきりとわかる。重厚な芸術品とでもいえばよいのだろうか。美味なるものを食べる喜びを感じるのである。
○煉羊羹  伝統の製法で煉り上げた美しい紅羊羹。
○夜の梅  丹波大納言を梅に見たてた小豆羊羹。昔から馴染み深い。
○挽茶羊羹 抹茶の香りただよう上品な羊羹でおもむきがある。
○栗羊羹  粒よりの丹波栗をぜいたくに入れた羊羹で、味わいは最高級。

  梶 康子