●老舗と私
アサヒビール株式会社は、明治22年に吹田で創業以来、130有余年。
その間、100周年を機に、社運を賭けて取り組んだ、アサヒ・ス-パードライは、「コクがあるのにキレがある」ビールとして空前の大ヒット商品としてビール業界をリードした。
以来、その人気は衰えることなく愛好された。
① 食事の際にビールを飲んでも、料理そのものの味をこわさない。
② ビールは更に進んで、料理をひきたてる要素をもっていることが時代の要求である。
③ その為にはスッキリしているのが良い。
時代が求めるニーズにしっかり応えたのである。その後も社員一同意欲に燃えて、新製品の開発に努め、時代に対応してきた。
家族そろっての楽しいひととき、アサヒビールはそんな食卓を演出している。外で食事をしてビールでも飲もうといった従来のパターンでなく、ビールそのものが、もっと身近な存在になってきていて、もはや家庭の食卓にはいつでもビールがある。家庭にあって、その時々の料理に会ったビールを選んで飲むのが新しいトレンドになってきていて、アットホームな雰囲気をよりよく盛り上げる。料理は味や、その時の気分、様々な食事のシーンに合わせて、気軽にビールを選び、食卓そのものを演出して楽しみながら食事をする。料理が一層美味になる。
消費者が自由に自分で選べる時代となる・2003年にアサヒビール株式会社が、提唱してから約18年、数多の新製品が発売され、多くのアサヒフアンを喜ばせてくれたが、各家庭の団欒の橋渡しをしてきた。
わが家では次男がアサヒビール党で、各種のビールを常備し、料理に合わせて飲んでいる。私は、アサヒ・スーパードライが発売されて以来、ずうっと、飲み続けている。飲み心地の良さ、のどごしのうるおいは最高。「ほかのビール飲んでみる?」と聞いてくれるが、当分は、「これでいいよ」と満足している。孫娘も成人して、同じものを飲むようになり、わが家は大盛り上がりになる。
新型ウイルス・コロナの為に大盛り上がりと言っても、コロナ以前のようなことはなくて、身内同士とはいえ、そこは心得ていて、密にならないように、気配りし、「昔は、お食事の時に大きな声を出しておしゃべりするのは、お行儀が悪いと叱られたものですよ」というと、孫娘は神妙な顔で聞いてくれる。小声でしゃべる様子も可愛くて、微笑ましい雰囲気に包まれる。
次男の友人たちのオンライン飲み会に参加させてもらった。彼らはわが家でよく飲み会をしていて馴染みになっているので、気安く参加できた。「スーパードライが、随分お気に入りですね」と言われながら、ビールを片手に映画の話、音楽の話と若返った気分で楽しむのだが、悲しいことに最近はビールを飲むと、すぐ眠くなり、早々と退散することになる。
友達にいうと「息子さんのお友達の飲み会に参加だなんて、若い人の話題に付いていけるの?」と呆れる。「だっていつもわが家へ来た時は、一緒に食事して飲んでいたもの。今はコロナでとても駄目だし、来ないけど、だからオンラインなのよ」「信じられない」と絶句する。
勿論、いつまでも、居るとことなく、頃合いをみて引き上げるのが、嫌われないコツというものである。
梶 康子