033a3f8798a1f30e52431001f4743cc7_s●鯛の真味
 お正月といえば<タイ・たい・鯛>という時代も、はや過去のものとなったのか? 若い世代は、目出度いの、鯛に通じるといっても、あまり拘らない。
それに高価なせいもある。
 姿が、美しく美味なので、日本料理では、魚の王として君臨し、祝い事の料理に欠かせないものとなっている。
                                   
★<腐っても鯛><海老で鯛を釣る>七福神のエベッサンが、鯛を釣ってニコニコしておられるのも。幸福の象徴である。
★ニラミ鯛
 正月三ガ日間、美しく焼いた鯛の姿焼きを豪華に食膳に据えて置く。来客に備えて、普通は、箸をつけない。横目で見るだけなので、ニラミ鯛といわれていた。今は、正月早々に年賀に伺う習わしも、うすれ、孫たちが里帰りしたり、旅行に出たりで、そういうことも無くなってきた。
                                     
●湯豆腐
  木枯らしの吹きすさぶ冷たい夜、湯豆腐が恋しくなる。豆腐は大豆が原料だから、植物性蛋白質が豊富なうえに軟らかくて消化に良い。幼児から高齢者まで和気あいあいのうちに食事がすすむ。湯豆腐鍋は、昔から大家族コミニケーションの役割を果たしていたのである。
 鍋の底にコンブを敷いておくと、煮汁のダシに旨味がでて、熱の廻りも程良くなる。
                                          
 豆腐だけでは物足りない時、到来物のアンコウ(鮟鱇)を入れる。母が良くしていたので、知らず知らずのうちに、鮟鱇をいただいたら湯豆腐にしましょう。と言うことになる。
 鮟鱇にも種類があって、本鮟鱇と呼ばれるものが良い。本鮟鱇の口を開けてみると、中が白い。大きいのは1,5mにもなるという。中が黒いのは、それほど美味くない。しかし、スーパーでパックにして、売られていると、口のことなど解らなくて、最近は、買うこともなく、戴く事も無くなっている。あっさりとした湯豆腐を楽しんでいる。
 だし汁、醬油、ポン酢で好みのタレをつくり、薬味を添える。
 早く煮たてようと、火を強めるのは良くない。湯豆腐は、気長にユックリと弱火で煮るのが、コツである。
                                                
 京都の南禅寺近くに湯豆腐屋さんが、沢山あるが、年に一度は行って味を見に行くが、年齢のせいか<私の湯豆腐>とのズレを感じることがある。           東 雲 宣 子