老舗物語 ― 先春園

sensyunen1.jpg 大阪で現存する茶舗で一番古い歴史を持つといわれている先春園は、創業文久三年(1863)当時の両替商ベスト10に入る天王寺屋五兵衛の番頭をしていた。荒堀源之助が別家するにつき、初代としてお茶の小売業を始めた。

 先春園の屋号は源之助の友人の学者が「中国の明の時代に皇室の茶園があって、先春園といったことに因み、その名を拝借して先春園と改めるが良い」と勧めた。

sensyunen2.jpg 古来「客来敬茶」という言葉があるが、客にお茶を出すことが、相手に敬意を表する礼儀とされているが、いつの時代にも変らぬ味わいと香りを奏でるお茶は、私達日本人に最も親しまれている飲み物である。

 先春園は、お茶一筋の老舗として、数々の由緒あるお茶会にも伝統の香味を納めてきた。伝統の技と心で丹精こめてつくりあげた深い味わいは、万人に珍重されている。

「夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が繁る
  あれに見えるは 茶摘みじゃないか あかねだすきに すげの笠」

sensyunen3.jpg 小学校歌を懐かしく思い出す八十八夜を迎えて、いよいよ新茶の季節が到来する。
 新茶は緑茶の中でも最も多くのビタミンCを含み、独特の味と香りは、お茶を飲む人に「笑顔」と「会話」をもたらしてくれる。

 先春園指定の茶園では、厳しい寒さに耐えぬいてきたお茶の木が、おだやかな陽ざしを待ちこがれ、一斉に芽をふきだしながら茶畑一面に、みどり色のじゅうたんを敷き詰めるように、鮮やかにわが世の春をうたう。

 新茶は、新鮮さが生命。先春園では、選び抜かれた初摘みの新茶を、品種も豊富に用意している。家族、親しい友人、仲良しグループで、楽しいひとときを。
 お土産、ご進物用にもとても重宝。

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