2018年春号
のれんメール
●山椒をつかみ込んだる小なべかな 一 茶(三 月)
●甘茶汲むとしはもゆかぬ尼ぜかな 立山子(四 月)
●方丈に今とどきたる新茶かな 虚 子(五 月)
新歳時記より
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旬のもの
春先になると、和菓子屋さんの店先が、にわかに華やかな雰囲気になり、草餅・桜餅・うぐいす餅等が新しく仕込まれて店頭を彩る。
先ず、ひな祭りの菱餅。なぜ菱形なのか? 宮中では正月に供える餅は、下が丸餅で、上に菱形の餅を重ねた。菱花びらというそうだ。上の菱形餅には薬草が搗きこんであった。後に上の菱形餅が、三月三日の菱餅となり、下の部分が、正月の鏡餅となったという。薬草を搗きこんだ菱餅が変化して、紅・白・緑を三つ重ねにして供えるようになったという。
老舗歳時記 吉野寿司株式会社 大阪寿司
二寸六分の懐石といわれる箱寿司に込められた<吉野>の思いは、大量生産が主流の現代に、創業当時の日本の健全さと、技術を守り続けている。先祖から受け継いだ教えを大切に、最良の大阪寿司を今後もつくり続け、大阪の食文化をリードしていく。
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老舗歳時記 株式会社松前屋
味にうるさい大阪・心斎橋で昆布と向き合いはや100年以上。松前屋は時代に柔軟に対応しながら、人々に愛される味を届けてきた。受け継いだ技術で、より良いものを追求する姿勢は、時に伝統の枠を飛び越え、驚きや感動を生みだす。
毎日の食卓に笑顔を添える品から、人生の軌跡を彩る逸品まで、<松前屋>の「伝統と革新」の味を造り続けている。
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食文化とルーツ ●弁当
花見どき、ゴールデンウイークの頃になると、少し前の昔のたいていの人々は、お弁当を持ってピクニックに出かけたものだった。しかし、今の主婦は弁当をつくりたがらない。子ども達は学校給食があり、旦那方はビジネス街の飲食店ですますようになって弁当屋さん等が繁盛し、行楽地の飲食店が、重宝されることになる。<てんやもん・店屋もの>を食べるのは、女の恥だと教えられ、育ったのが遠い過去のことのように捨て去り、はじめは、とまどいながら外食し、時々母の顔を思い出していた自分の姿が今は懐かしくなる。
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