●十二月の旬

3062762_m △十二月二十一日は冬至。二十四気の一つで、年間で最も日の短い日。太陽暦では、重要な年中行事であった。一陽の嘉節とも称され、日本でも禁中の公事として、この日天皇は南陵に出御、諸卿の賀表を受けられていたことがあり、民間でも餅・団子をつくって祝い、また、この日に南京を食せば、中風に罹らず、柚子湯に入れば無病息災を得ると伝えられて、今もその余風は健在である。

 △二十五日はクリスマス。 キリストの降誕祭。未明に生まれたので、前夜からイブのミサを行う。戦後のある時期までは、クリスチャンでもない多くの日本人までもが、大騒ぎをして、世間の顰蹙をかったこともあったが、次第に落ち着いて、現在では宗教を問わず、家庭でのホーム・パーテイーに移行した。
 秋から冬にかけて、特にクリスマスの頃になると、最も美味しくなるのが、七面鳥の若鳥で、1620年にイギリス本土から北米に移住した清教徒が、翌年の十一月の第四木曜日を収穫感謝祭と決めて、カボチャのパイを一緒に食べて祝った。そのうち日本でも広まり、七面鳥料理がつけば一流だと言われるようになった。
 栄養は、100gのキロカロリーが、144,若鶏は203. ★脂質6,5g。若鶏は12,3g。★タンパク質19,6g。若鶏は20,6gで、若鶏に勝る低カロリーのダイエット食品で、食卓では大きくて見栄えが良く、肉が多いのも魅力になっている。
△晦日そば 大晦日に年越しそばを食べることは、一般に定着しており、毎年マスコミでそばを食べているそば屋の風景が、報道されている。
 関西では、当甘辛のれん会加盟の<美々卯>のそばが有名である。そばに関して「東京年中行事・1911」に、つぎのように記されている。
「朝の中から注文しておいて、暮れるまでに二度も三度も催促しても夕食に間に合わず、暮れてからあつらえたものは、除夜の鐘の音を聞いてもまだそばの顔を見ぬというようなことは、決して珍しからず」とある。こうして
・年越しそばは今もなお盛んに祝われつつある。それほど蕎麦屋さんは大繁盛していたということである。
 大晦日にそばを食べるのは、細く長くと<縁起>をかついでのことと、一般的にいわれているが、もう一つ、金沢で、金箔の仕事場で、金箔の粉をそば粉で集めたことからの、<縁起かつぎ>だとも言われている。
 ソバには含水炭素と粗蛋白が多くビタミンBも豊富で、白米常食者の補食として好適で、「本朝食鑑」には、「ソバは気味甘く、徴寒にして毒なし。気を降し、腸胃の搾穢績滞を寛にする。水腫・白濁・泄痢・腹痛・上気を治し、或いは気盛んにして湿熱ある者によろし」とある。ソバ殻を焼いたアクで古器物を洗えば多年の垢がたちまち脱け、金銀細工をする所では、金箔を伸ばすにソバ粉を打ち、金銀粉の散ったのをソバ粉に吸いこませて寄せる。或いは金を伸ばし、金銀を吸い寄せるという。その「縁起」から<年越しそば>になり、旧年の穢れを去り、五臓の停滞を除くという意味で、清祓をする禰宜に通じる「ネギ」を共に食するようになった。
 そばは実だけでなく、花が咲く前の若い茎葉を採り、ゆでて浸し物、和え物にするとホウレンソウに劣らぬ風味があり、汁の実にしても柔らかくて賞味に値する。
△忘年会 各種団体・会社関係・仲良し女子会・グループ・家族会、いずれにしても忘年会にはお酒類は付き物である。甘辛のれん会加盟の老舗の味をタップリ楽しんで戴きたい。
▲日本酒 日本一の灘五郷の名水を使った、<大関><菊正宗><日本盛>(名簿順)
▲ビール <アサヒビール><サントリー>     
▲洋 酒 <サントリー>   
 そうはいっても、各自自分の贔屓のものがあるはずなので、最近、私は上記のものを全部用意して飲み比べをしたりして、好き勝手を言いながら楽しんでいる。日頃余り自己主張しない人でも、意見を言いだしたりして盛り上がるのも楽しいものである。
                                   東 雲 宣 子