●行事と食文化
▲十月は十四日スポーツの日。この日を中心にして、運動会が開催される。コロナ禍以来、そのあり方が変化してしまい、さて、今年はどんな形態で行われるのだろうか? 走りの競争に苦手だった私は、賞に入ったことがなく、いつも1等賞の姉を羨ましく思ったことを思い出す。母になり、長男が早くて、1,2を争い、次男がそうでないので、つい、次男に優しくなり、少しのことでも褒めてあげ、励まして、運動会が済めばやれやれとホットしたのを覚えている。長じて次男にそれとなく聞いてみたら、私が、思っていた程こだわっていなかったので、安心したことであった。
お弁当は、定番ながら心をこめておむすびのノリ巻き、卵焼き、ソーセージを可愛いい動物に見立て、サツマイモの黄色身にブロッコリーの緑を周囲にあしらった、ひまわりの花や、羊羹のデザート、その他。長男の健闘を願い、次男が自分で納得できる走りができますようにと、願ってつくった。
▼十月の旬
△野菜 大根、人参、牛蒡、蓮根、甘藷、じゃが芋、里芋、八つ頭、カブ、玉葱、生姜。これらはみんな土の中のもの。健康によりよいものとされている。
ズイキ,たまな、うど、秋なす、初茸、松茸。
△果物 栗。因みに十三夜の月を栗名月という。柿。最初に出廻るのが次郎柿、次いで富裕柿、その他数種の柿がある。
●十一月は三日文化の日。七日立冬。十五日七五三。十一日介護の日。その他。
▲三日を挟んで文化の日は三連休のお祝いになる。気候のよくなるこの時季は、精神的にもなにかしら「ゆとり」を感じ、食べ物の真味も味わえる頃である。そんな時こそ、旅をしてその地方の郷土料理や、おみやげに心を癒し、また、ゆっくりと在宅で休暇を楽しみたい方は、われわれの老舗の味をたっぷりと味わっていただきたい。
▲十一日は介護の日。これはあまり知られていないが、世界一の長寿国の日本としては、今後、益々認識をしなければならない。
生命の源点は、食生活にあり、若い頃に比べて食べる量が少なくなるのは、致し方がないが、好き嫌いがあったりして、栄養がかたよりがちになり、おまけに摂取量が少ないとなると、生命の維持にも影響がでてくる。元気に日々を過ごせるように、誰もが願うことであるが、現実はそうはいかない。大きな問題である。
高齢者の前期のうちに、しっかりと教育し、食生活の大切さを常に意識し、体力を充実させることも大切である。各地の行政でも色々、行われているが、参加したくてもできない人もいることもお忘れなく。啓蒙活動が大切である。
▲十五日の七五三は子どもの成長を祝い、神に感謝し今後の健康と、更なる成長をお願いする日で、神社に御参りすると、千歳あめが、くだされる。
寛永年間の頃、江戸浅草の飴売り七兵衛が、商品の飴を「千年飴」または「寿命糖」と名づけたのが始まりで、最初は「センネンアメ」と言っていたらしい。千歳飴の文字に鶴亀・松竹梅などの模様を配した、細長い紙袋に紅白二本の棒飴を入れ、主に神社の門前で売るのを、幼児の初めての宮参りをする時に、必ず求め、帰路に親戚や知己へ配る習慣になったので、俗に「宮参り飴」とも言った。後には、十一月の七五三の祝い参りにも必ず求められるようになり、現在に及んでいる。
▼十一月の旬 △魚 さんま、秋さば、牡蠣。
秋刀魚の焼き方は、鮎と鰻の中間がよいといわれている。つまり鰻のようにみりん醬油をつけて焼くのではなく、ただそのまま焼くのだが、脂が火に落ちてあがる煙を飛ばさぬように、自然のまま焼くがよい。さんまは、そっと煙をあげて焼くところに風情があって、その焼き方が美味しいのである。
△すきやき 日本の牛肉は世界一美味い。肉の酸性を中和させる為にシラタキを加えると、牛肉の一割を食べたら、酸性は、中和されてしまうという。