●老舗紹介  小倉屋  をぐら昆布

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 創業嘉永元年。昆布一筋、今も、昔も変わらぬ浪速の昆布。小倉屋は、ひたすら昆布をつくり続けてきた。「老舗の中のゆるぎない老舗」なのである。大阪で最も古く、かつ、由緒ある昆布の老舗として、昆布界に君臨している。<昆布の芸術>といわれる数々の製品は、農林大臣賞を受賞している。
 ◎伝統に輝く重厚な味。◎弛まなく研鑽された信頼の技術。◎時代のニーズに敏感に反応する柔軟性。全てがマッチして、昆布の旨さを全部出し尽しているのである。

                   
 昆布は「喜ぶ」に通じることから、祝い事の中でも、重要な地位を占め、お正月料理をはじめ、縁起物として結婚の結納用に「子生婦」として丈夫な子どもを産むようにとの願いがこめられている。
                     
 日本一の昆布どころ、北海道の真昆布を原料として、じっくりと煮込む大阪の伝統工法により優れた塩昆布が生まれる。その昆布に各地名産の松茸、椎茸、山椒、かつお等、海の幸・山の幸の個性をいかしながら、様々な嗜好の昆布をつくり続けて176年。「大阪の名物言うたらやっぱり、<をぐら昆布>でっせ」と、人をして言わしめ、大阪の食文化に貢献している。
                            
 昆布の旨味は、日本の味の一つであり、他の食品の味を引き出したり、あらゆる食文化の根源になっている。昆布を通して、日本文化を感じ、そして新しい日本人の味覚、大阪人の食道楽を創造していくのに、昆布は大切な役割を果たしている。
                   
 をぐら昆布が誇る商品は
▲汐冨貴 小倉屋の代表製品。
 昆布の旨味の主成分は、アミノ酸の一種、グルタミン酸ナトリューム。表面についている白い粉にはグルタミン酸とマンニットが含まれている。マンニットは甘味成分だからおとすと独特の旨味がなくなってしまう。また、ヌメリが出るのはアルギン酸である。
 昆布にはとかく日本人に、不足しがちなカルシュームや甲状腺ホルモンをつくるに欠かせないヨード分が特に多く含まれている。昆布の一番美味しい部分だけを技術陣が丹念に煮上げた贅沢な昆布で、熱湯を注いで昆布茶とすると、一層美味しくなり、これ以上の贅沢はない。最高級品。
                               
▲佳肴(かこう)  うす味に煮上げ、独特の味付けをした数の子をまぶした風味豊かな味。お酒の肴に最適。
▲扇翁(おうぎおきな)  昆布をあえて味付けをせず昆布を柔らかくして、熟練の職人が丹念に削りとった天然の味を味わえるおぼろ昆布。
▲その他  ▼とろろ昆布  ▼おぼろ昆布  ▼最高のダシが出る、波の広葉  
      ▼昆布茶   ▼お茶漬   ▼ふりかけ采々  ▼辛子明太富貴 
      ▼香り豊かな山の幸、松茸と、北の海で鍛えられた海の幸、昆布がお互いの持ち味
      を引き立てあいながら、絶品の味を醸し出している数々の取り合わせ。
                         
▲手造り萬采(ばんざい)
 新しい食の個性として、家庭で手軽に利用できるお惣菜は、厳選を重ねた素材で、丹念に手造りの後、高温殺菌してパックしたもの。保存料や着色料は一切使用せず、安心して味わえる昆布の健やかさを味わえる逸品である。
                                      梶 康子