●行事と食文化 1

29158318_m◎鮎  鮎の保護の為に一定期間の禁漁期を設けているが、気候による生育関係の違いから地方によって解禁日に、速い、遅いがあるが、本州の大部分が六月一日になっている。
 若鮎には、一種の香気があり、高雅な風味を備えているので、香魚ともいわれている。
また、春に生まれ、夏に長じ、秋に衰えて、例外以外は冬に死んでしまうので、年魚の別名もある。
 若鮎はとったすぐの焼きたてを、タデ酢で食べるのが、最も美味だとされている。その他は、酢味噌和え、青竹の筒焼き、あゆずしなど、いろいろな味を楽しめる。テンプラやフライなどにするのは、せっかくの香味を消してしまうので、もったいない。
 天然のアユだけでは不足なので、毎年春になると、稚鮎を放流したり、養成池で飼育する。養成鮎はどうしても、脂肪太りで、身体が扁平になり、スマートでなくなる。風味も乏しいといわれていたが、近年は研究を重ねられて、徐々に進歩している。
                   
〇七夕・お盆・祇園祭り・土用丑・地蔵盆・天満天神祭りと行事が続く。
◎西瓜  お祭りにつきものの西瓜は、ウリ科のつる性一年生果実。熱帯アフリカ中部の原産で、わが国へは天正七年に渡来したといわれている。西瓜の栽培は、高温乾燥が条件で、排水の良い砂土・砂壌土がよいといわれている。
 古くから有名は<大和西瓜>は奈良県の特産だったが、強健・量産で品質も良いところから、現在では広く全国的に栽培されている。
 関西で売られている西瓜は、ちょうど春の桜前線のように、いち早く熊本から、次いで鳥取・奈良・和歌山・石川・
富山・黒部スイカ・千葉・信州長野のアルプススイカ・青森と西から徐々に運ばれてくる。 
 アメリカ種に<アイスクリーム>とか<マウンテンスイーツ>があり、ロシヤ種は、黄西瓜
<スウイート・ワイベリアン>がある。
                            
◎酒類  お祭りにつきものの酒類は、日本酒各種・ビール「発泡酒類含む」・洋酒類各種は、言わずもがな、当甘辛のれん会加盟の「日本酒」では、著名な<大関>・<菊正宗>・<日本盛>がビールでは<アサヒビール>・<サントリー>があり洋酒は<サントリー> が、伝統の技術と最新の設備を駆使して、消費者のニーズに応えて日夜励んでいる。
                          
◎うなぎ  夏の最も暑い土用の頃をどうして乗り切るか? 江戸時代の頃の庶民は、うなぎを食べることにつながった。それも平賀源内によって始まったといわれているが、平安時代には、健康に関する習慣がいろいろあった。牛のように色の黒いものを食べると、牛のように肥って、身体が強くなると考えた。当時の日本の牛は黒牛が主だった。黒ければ、ゴボウでもナマズでもよいとされた。
 当甘辛のれん会加盟の<菱富>は大阪宗衛門町にあって、江戸風焼きの伝統を守り、多くの顧客に支えられている。
                         
◎そうめん  「本朝食鑑・1695年刊」には「七月七日には必ず素麺を喫(た)べること上下例なし、家々では素麺を贈り物とする。或は星祭供(七夕の供えもの)となす」と書かれてある。素麺は夏に冷やして食べるのは、美味しいのは勿論だが、<ニュウメン>にしても美味しい。
                            
◎乾飯  昔の旅行は、交通機関もなく食事を摂らせる店や宿屋も充分でなかった。旅に出る時は腐りにくい食糧を用意したのが、乾飯だった。もち米を蒸して乾かしたもので、食べる時に水に浸したり、湯をかけたりして、もどして食べた。インスタント食品の元祖みたいなものである。戦国時代には兵糧食として重宝された。平安文学の「伊勢物語」にも出てくる。在原業平が失意のうちに都を出て、東国へ度に出て、歌を詠んだ。同行の者が、都を思い出して泣きだし、涙で乾飯がふやけてしまったという。