●旬のハーモニー

25726870_m▲肉類をたべよう
★豚肉  元は野生のイノシシであったが、家畜として飼育されるようになった。山野の硬土や木の根などを掘る必要が無くなったのでキバが退化して、鼻も曲がったのだという。
 日本では、牛肉同様、家畜を食べない風習から、やはり豚肉を食用にしだしたのは、幕末以降で、幕末の19世紀になると、外国人の江戸への往来が、繁くなり、以前から長崎へ出入りして、味を知る医学者や蘭学者が吹聴したので、試食するものが多くなり、次第に広まっていった。14代将軍徳川家茂の後見約として、外交に当たっていた、一橋慶喜(後の15代将軍)が愛好したことは有名である。

 豚の代表的なのは、ヨークシャー(白)とパークシヤー(黒)であるが、日本では大部分がヨークシャー種だといわれている。
 体質が、気候・風土・粗餌に耐えるから、管理に容易なのと早熟多産で、繁殖力が大きく肉も脂肪も美味だから、食肉品類中需要の第1位を占めている。    
 料理は、トンカツの名で通るポーク・カツレツはスキ焼き、テンプラについで国際的になっている。お好み焼き、焼きそば、ショウガ焼き、殆どのイタメもの、シャブシャブ等。
 加工品としては、ハム・ベーコン・ソーセージなどがある。
                               
★鶏肉  原種は南方の熱帯地方といわれているが、日本では遠く太古から飼育されており、神話の「天照大神の天の岩戸開き」にも一役つとめている。
                                          
 鶏には、肉用と卵用の二種類があり、肉用鶏はシャモやカシワなどで、大体赤みを帯び、脂肪の豊富なのをよしとし、一般には、肉の柔らかい牡鶏を使用するが、真の美味は、脂肪淡泊な牡の若鶏だとされている。
 料理としては、先ず、親子丼、スキヤキ、スープ煮。焼きとり、から揚げ、手羽先を焼いたり、揚げたり、醬油で好みに煮たり、とりガラの出し汁等用途は広い。
                            
★鶏卵  一般的に全重量の内、卵白が53%、卵黄が32%、卵殻が約11%を占め、成分は水分のほか、脂肪と蛋白質が大部分で、殊に卵黄中には、ビタミンA・Bを多量に含み、牛乳と供に理想的な栄養食品といわれているが、含水炭素が殆どないくらいなので、過食すると腎臓を害する恐れがあるといわれている。
 栄養価値の高いところから、あらゆる料理に使われているが、せいぜい玉子焼き・フワフワ玉子が独立した料理といえる。朝、昼、夕食、のいずれかに、他の主材料の付け合わせになって食膳にのることが多い。サラダ・スープ・アイスクリーム・ケーキ・和菓子などいろいろに応用されている。                
                                    東 雲 宣 子