老舗歳時記 清酒 大関株式会社
正徳元年(1711)に初代当主 大阪屋長兵衛(長部文次郎の始祖)が今津村で創業以来、「大関」は、いつの時代においても、常に顧客のニーズを的確に把握し、あるいは、それを先取りして、受け継がれてきた酒造りの技と心をつくし、数多くの商品を世に送り出してきた。今さら紹介するまでもないと思うくらい「大関」は有名である。
●特に55年前に業界にさきがけて開発された<ワンカップ大関>は、手軽にどこででも飲めるワンタッチのカップ酒。日本酒の新たな需要を創造し、新しい行動スタイルを生み出した。このカップ容器は、後に日本酒のヒット商品となる。1979年9月、容器の開発と普及に貢献した業績に対し、石川弥八郎賞を受賞した。
●1986年 「大坂屋長兵衛」 創業者名をそのまま商品名にしていることでも、おわかりの通リ、「大関」の自信作。
●1990年 「十段仕込み」
普通三段で仕込まれる酒の2倍以上の50日間の手間と日数を注ぎ、最高の醸造法にて仕込む。「大関」ならこそ造り得た純米大吟醸。
●2015年 「醴(RAI)」
独自の新製法「味醴製法」による、純米酒瓶詰。
●その他。
関連会社、提携会社の食品・化粧品・ワイン・焼酎・果実酒等がある。
☆「大関」は、技と知恵の結集により、楽しい暮らしのあり方を提案し、益々多様化する社会の中で、日本酒の歴史と伝統を育んできた従来の生活文化を、世代と地域を越えて豊かな生活価値を暮らしの中に実現することを目指している。
★「大関」の語源
昔、日本国中の力量抜群の者を集め、王城を守護する防人の間に力技を競わせ、その中で最も優れた者を<大関>とし、次に関脇、小結、前頭の順位を定め、前頭には数人を並べ、防人の出身地別に本州を関東、関西に二分し、東方・西方と区分して、年々5月の加茂祭りの時に、角力会を催して、天覧に供え、防人の力技の向上発展を督励した。
かつて大関の名称は、防人中の最優秀者に与えられる名誉ある称号だった。
★今日の力士の最高位の<横綱>の名称は、江戸時代の将軍家の上覧相撲によって創定されたもので、「大関」の商標は、横綱の注連縄と天下無双の文字のある軍扇の烙印及び中井の烙印を添え、更に「大関」の「大」の字は右上に「関」の字は左下へ書き、その上へ大小の赤線二線(力士の褌の図案より出たもので相撲道に関するもの)を引いて構成されている。
梶 康子