海の幸・山の幸

あゆ幼魚25㎝ぐらい。1歳。「せいご」というが、69㎝以上になり4歳と成長するにつれて名が変わっていくので、ブリ同様に出世魚といわれている。大きいのは1mもあるものがある。刺し身、あらい、塩焼き、照り焼き、椀だね、煮もの、揚げ物と、あらゆる料理に使われる。
鮎の本当の旬は七月なのである。鮎が水ごけを充分に食べて成長するのが、七月になるからである。水ごけを食べることによって、鮎特有の香気を出すのである。

                  

うなぎ、赤エイ、石がれい、黒鯛、京都の夏祭りには特にハモが重宝される。
おこぜは、岩礁の多い所に住むが、住む場所によって身体の色が変わるという珍しい魚である。普通は濃褐色だが、紅藻類のある所に住むものは紫緑色になり、深海に住むとスミレ色になる。背びれに毒線があり、刺されると非常に痛い。独特な顔は忘れられないが、肉は淡白で夏に美味しい魚である。
              

魚もそうだが、野菜も豊富になり、料理する者にとって楽しい季節。梅雨の暗いイメージをふっとばしてくれる。
さつまいも、里芋、ぎんなん、はす、じゅんさい、ユリ根、にんにく、洋にんじん等、全て頭に新のものが出始める。生しいたけの春子、うど、梅の実の実る頃、紫蘇の葉も収穫の時期になる。夏に向けて、かいしきや、薬味。赤梅酢として夏の献立を引きたてる。
                    

盆の頃よりレンコンも出まわる。最近は早々と出荷されるが、旬はこの頃である。レンコン料理といえば熊本の、<からしレンコン}が有名。水前寺を造園した玄宅和尚が、病弱な細川忠利の為に考案したという栄養食で、造血に効果がある。
ミョウガは蕾のかたいうちに摘み取る。薬味、むら雲汁の実、赤梅酢漬け、香のもの等使途は多様。
             

果物はスイカ。4000年前にすでにエジプトで栽培されていたというから驚いてしまう。白桃も出まわりだす。
果実の王様は、もちろんメロン。網目が細かくて香りの良いものほど高価になる。
                             東 雲 宣 子