春の苦味

山菜<春の料理は苦味を盛れ>

 春に苦味を求める人の心は、そのまま自然の恩恵につながるものとみえる。山菜の王といわれるワラビをはじめ春の山菜は豊である。

 フキノトウはフキの花で、葉、茎に先駆けて地上に出る.香気のあるのは、三月、四月頃.北の国の雪間に生じるフキノトウは、多くの苦味を背負い込んでいる。フキノトウの花、茎が、伸びて、ほうける頃になると、柔らかな葉が繁ってくるフキの食べ頃は、四月、五月の新葉のうちがよい。

 ワラビ、ゼンマイ、コゴミなどは、シダ類に属し、若葉がくるくると巻いているのが、特徴である。しかし、良く見るとワラビは、コブシのように巻き、ゼンマイは時計のゼンマイの形に巻いている。コゴミもゼンマイ形に似ているが、、前かがみの姿から、コゴミの名が生れたという。

 イタドリと、ワラビは、萌え出る頃が同じでありながらワラビは山菜の王子といわれて珍重され、イタドリは、路傍の雑草と言うことで、みむきもされないことになりがちである。イタドリも太い茎の芽を伸ばし始める頃は食欲をそそる。

春の豆ご飯

 八百屋さん店先で、緑色の実エンドウが、、初々しく食欲をそそる。豆の中では、一番乗りの春の使者。エンドウは、マメ科の一年または越年草。原産地は地中海沿岸とみられ、石器時代から食べられていたらしい。

主な成分はタンパク質と糖質。タンパク質では、リジン、糖質デンプンと庶糖が主。ビタミンはB1,2,Cが、比較的多く、リンを含む。さやが張って色が良く、ひとさやに四粒以上のマメが入っているのが上質。

  東雲 宣子