旬の味 ― 枝豆
枝豆は俳句では秋の季語となっている。なるほど歳時記をよくよく見れば、9月にある。
旬というものがなくなっているような昨今だが、殊に枝豆に関しては旬は夏だと思いこんでしまっていた。と言うのもビールのおつまみを連想するからだろうか。
枝豆の農林用語は「未熟大豆」。昔、田舎に住んでいた時、土地の人々が、「アゼマメ」と呼んでいたのが、後になって枝豆のことだったと納得したが、関西地方では、田畑のアゼに植えたことから「アゼマメ」と言っていたのである。
<畑の肉>の大豆より水分は多いが、ビタミンC、B1、カロチンが多い。
兵庫県丹波の知人から、毎年黒豆の枝豆を送って下さるようになり、もう10数年になるだろうか。適当な甘味がありとても美味しい。それまで黒豆の枝豆を食べたことがなかったので、新鮮な喜びは枝豆の季節になると待ち遠しく思い出される。
東雲 宣子