季節の果実 ― キンカン
子どもの頃、風邪ひき、セキのとき、オオバコやキンカンを煎じて飲まされたことを覚えている。昔の人はキンカンに豊かに含まれるビタミンCがカゼやセキに良く効くことを体験とか、言い伝えられてきて知っていたようだ。特にビタミンCが集中し、栄養のある果皮をそのまま食べるのが効果がある。
体内でビタミンAになるカロチンのほかカルシウムの含有量は、果実の中では最も多い。
キンカンはミカン科の常緑低木。原産地は中国で、漢名は金橘。日本ではヒメタチバナともいわれている。品種は多くある。
果肉は酸味が強いけれど、皮は甘味と芳香があり、形の小さいのはそのまま料理に使う。砂糖漬けにしたり、甘煮、マーマレード。皮を刻んでナマスの香味に、セキ止めには氷砂糖と煎じ、熱いうちにに服用する。
観賞用を兼ねて盆栽、庭園にも植えられる。
葛城 陽子