食文化の伝承 ― 梅酒と梅
梅の実が熟れて市場に出回りだすと、なるべく大きな立派な梅の実を求めて、2、3の店をハシゴする。結局P・T・Aや婦人会で知り合った友人から情報を得て梅の実を買い求めるのが、いつものことになる。梅酒は胃や腸によく効き、咳とかにもよく、実もそのまま食用しても美味で、いわゆる健康食品なのである。
青梅を水洗いして水気をすっかりふきとって、
ホワイト・リカー 1.8リットル
青 梅 500グラム
白砂糖 400グラム
あまり砂糖を多くすると、梅の実にしわがよることもある。氷砂糖がおいしいときいてからは、氷砂糖を使用しているがどちらでもよい。壷または、瓶のようなものに入れて密閉し、2カ月ほど経てば待ちきれなくて飲み出すが、4カ月おくほうが、熟成しておいしい。ある書によると、朝夕2回ずつ振動すると、1週間くらいで熟成し、そのまま冷暗所に置くといつまでも保存出来るとあるが、まだ試していない。
果実にはリンゴ酸、クエン酸などを含んで酸味が多く、酢、醤油などの醸造されなかった以前は「塩梅(あんばい)」といわれて調味の基本とされていた。
梅の実は、最も我々の身近にある梅干の他、砂糖漬・ジャム・アルコール漬。また梅干ビシオ・ウメヨウカンなどをつくるが、未熟なものは、青酸を含んで腹痛を起こすから注意する必要がある。